クラトスルートのゼロスの選択をどう解釈するか

テイルズオブシンフォニア、一応ネタバレ注意と申し上げておきます。
メジャーな作品だとは思いますが、念のため。
「クラトスルートにおけるゼロスの選択」と言えば、ファンの皆様はもちろん、何のことか分かりますよね。
そう。救いの塔で、ゼロスが離脱するイベントのことです。

……クラトスルートの離脱イベントというのは、あれだよね。
クラトスが仲間になって、ゼロスは永久離脱する方だよね。

そう。
ゼロスとクラトスは、最終的にどちらか片方しか仲間にできないキャラクターなの。
ゼロスルートの場合はクラトスが離脱。この場合、クラトスは戦う力を失ったらしく、ロイドの家に身を寄せている。
クラトスルートの場合は、ゼロスが離脱。
この場合、救いの塔でゼロスと戦闘になり、勝つとゼロスはその場で事切れてしまうの。

切ないよね……
クラトスルートでのゼロスは、戦闘になる展開を「裏切り」と表現されていることが多いのですが、個人的にはその表現には少々疑問を感じます。
クラトスルートだろうとゼロスルートだろうと、ゼロスは心底ロイドたちを裏切ってはいないだろうと。
こう感じるわけです。
ゼロスルートのゼロス
ゼロスルートでも、救いの塔でロイドたちを裏切る描写があることは変わりません。
ただ、こちらの場合では、ゼロスの裏切りは敵を欺くための演技に過ぎなかった、という展開になります。そのため、ゼロスとの戦闘も起こりません。
ゼロスはロイドたちの探しているとあるアイテムを手に入れるため、裏切ったふりをしながら別行動を取るのです。
それはひとえに、ロイドのまっすぐさに感銘を受けたから、ロイドのおかげで、もう一度自分を、世界を信じてみる気になったから、なのだと思います。

シンフォニアのパーティーメンバーって、なんというか、みんな素直で癖がないんですよ。
特にロイドなんかは、事前に話したところで、裏切られたふりの演技をするのも難しい性格だろうから、ゼロスがあそこまで黙っていた理由も、個人的には納得できます。
クラトスルートのゼロス
対して、クラトスルートでは、同じ場面でゼロスがその場に残り、戦闘になります。
このときにゼロスに勝つと、ゼロスは最期の力を振り絞ってロイドに攫われたコレットの居場所を伝え、自分がこうしたのはセレスのためでもあるんだ、という趣旨の話をします。

正直ねえ。
こちらの選択肢を選んだときのゼロスも、ロイドのことは心底特別な存在と思っていたように感じるんだよ。
こちらのゼロスは、自分のことを間違えて生まれてきた存在と言うけど(妹のセレスにも、自分は嫌われていると誤解したままだし)、他の誰でもなく、ロイドに倒して欲しかったんだろうし。

ロイドって、そのまっすぐさで、間違えた人を正しい道に導いてくれそうだものね。
自分のいない世界線を正当と捉えているこちらのゼロスにとっては、倒されることこそが「正しい道」なんだろうね。
クラトスルートは、救いの塔に行く前のフラノールでの雪見イベントで、クラトスと雪見をした場合のみに入れるルートです。
クラトス以外を選んだ場合はゼロスルートとなります。
クラトスルートとゼロスルートでは、雪見イベントの翌日のゼロスとの会話内容が異なるのもポイントです。

具体的には、ロイドが
ゼロスルートの場合は「信じてるから」
クラトスルートの場合は「信じていいのか?」
と言います。
どちらにしても疑念はあるのかもしれません。
ここまで、ゼロスが変なタイミングで席を外すことは何度もありましたし。
ただ、クラトスルートの場合、クラトスの影響を受けたと思しきロイドがあまりにも冷静で現実的すぎる。
そんな彼に、最後の最後に疑念を抱かれたことで、ゼロスの中で空洞が生まれてしまったのかなと思いました。
ぜロスからしたら、居場所をなくした気分になっていたのかもしれません。
でも、その居場所をなくした気分が「裏切り」なのかと言えば、特にそんなことはないと思うんですね。
本当に裏切ってたら、コレットの居場所は教えないでしょうしね。

ゼロスルートのゼロスは、おそらく、ロイドのことを初めての親友と解釈し、親友のために一念発起したゼロス。
クラトスルートのゼロスは、同じくロイドのことを特別に思っているけど、親友というよりは、どちらかと言うと「父か母のように甘える相手」であり、最後の最後に特大のわがままを聞いてもらいたかったゼロスなのかな、なんてことも思いましたね。

ゼロスもすごく考察のしがいがあるキャラクターだよね。
皆さんは、それでもやはり、ゼロスは裏切ったと思いますか?
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