フルーツバスケット、草摩由希の成長が好きな話

フルーツバスケットも好きな作品です。
わたしは旧アニメ版から入ったのですが、気に入ったので、その後原作を全巻買いました。

フルーツバスケット、登場人物も視点も多様だから、人によって好きなキャラクターや好きな場面が異なるのも魅力的なんだよね。
自分と違う意見が聞けると、作品の深みが増すって言うかさ。

わたしはこういう性格なので、いろんな意見を聞くのが楽しいんですが、個人的に好きというか、印象に残っているキャラクターは草摩由希くんなんですよ。
本日は、彼が印象に残っている理由を、作中のエピソードを交えつつ、書いてみたいと思います。

平たく言うと、由希については、その発想はなかった、というキャラクターだったんです。
草摩由希の基本情報
主人公である本田透くんたちが通う、海原高校の生徒です。
透くんにとっては同級生ですね。
容姿端麗、文武両道、性格も紳士的で優しいと来て、なんというか完全無欠なため、学校内ではいわゆる「王子様」で通っている人物です。「プリンス・ユキ」なるファンクラブも存在するほど。

ふーん……
すずかも、いわゆる王子様キャラだから彼が好きなわけ?

んー、まあ、確かにかっこいいんだけど、単に王子様キャラなだけなら、そこまで印象には残らなかったような気がする。
個人的には、いろいろあってずっと気を張っていた彼が、素を出せるようになってからが真骨頂だと思っているし、少しずつ砕けていく過程が好きなんですよね。
ちなみに、由希がいい意味で変わってきたきっかけのひとつは、生徒会長を引き受けたことかな、と思っています。
打診されてもずっと渋っていたのですが、自分を変えるきっかけとしたかったのか、頑張ることにするんです。これがわたしには、かなり功を奏したように見えました。
由希の何が「その発想はなかった」のか
これは、個人的には雷が落ちたような衝撃でしたので、よく覚えております。
フルーツバスケットは、序盤こそ、主人公の透くん、由希、あと夾くんとの間で、何だか三角関係ができているような描写が続きます。
透くんは、果たしてどちらを選ぶのか、どちらと結ばれるのか、みたいなところも、見どころのひとつだったと思うんですね。
その関係に、あるとき終わりが来ます。
というか、由希が自分の感情にきちんと向き合うときが来ます。
由希は、実のお母さんからの愛情にとても飢えていた。
そのため、彼は、透くんに「お母さん」を求めていたんです。

これを知ったとき、わたし自身がまだ若かったこともあるんですが、本当に驚きました。

由希本人は、自分のその感情をみっともない、恥ずかしいと思っていて、なかなか向き合えなかったみたいなんだ。
だから恋愛感情だと思おうとしたんだけど、どうしても違ったと。
でも、そう言われて考えてみれば、何ら不思議はないんですよね。
実の親から幼少期に愛情を受けられなかったとなると、飢えるのも当たり前です。
そして、人に恋愛感情を抱くという過程も、自分が満たされていなければ出てこないはずなんです。

つまり、彼にその過程を踏ませるのは、成長するうえでとても大切なこと。
この辺りを丁寧に描いた原作者の高屋先生は素晴らしいと思います。愛を感じました。
「お母さん」の愛情を受けた彼が、もう一歩進む
透くんの件を受けてから、由希にもちゃんと、「恋愛感情」を抱く大切な女性ができます。
ここもとても感動しました。もはやもう一人の主人公と呼べるレベルでした。

フルーツバスケットは、登場人物が多いぶん、スポットを当てる場所も多くて大変だったと思います。
どのシーンも素晴らしいのですが、わたしは割と終始、由希の成長に釘付けでした。
「お母さん」に見守られながら、親友を得て愛を得て、今まで得られなかったいろんなものを取り戻していく過程が本当に好きなんです。

だから、すずかは由希が好きなんだね。
フルーツバスケットを読んだことがある人は、誰が、またはどんなシーンが特に好きかな?
読んだことない人は、試しにちょっと読んでみない?

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