マール王国の人形姫・フェル王子がいい話(ネタバレ注意)

マール王国の人形姫、いいですよね!
初代、2、天使のプレゼントの三作品は、最近、現行機種でもリマスター版が出ましたので、今でも遊びやすくなったと思います。

ミュージカルRPGという、他では類を見ないジャンルの作品だよね。
作中に、ドット絵のキャラクターがちょこまか動き回るさまは圧巻!
今回は、リマスター版の初代を再プレイしたわたしが、改めて、主人公コルネットのお相手であるフェルディナンド王子はいいなあと思った話を書きたいと思います。
ただ、どうしてもラスト付近のネタバレを含んでしまう点はご注意ください!
そもそも、マール王国の人形姫ってどんな話?
マール王国のオレンジ村で暮らしている女の子、コルネット。
「人形と話ができる」という不思議な力がありますが、それ以外はごく普通の女の子です。
ある日、おじいさんからお使いを頼まれて森に出かけたコルネットは、森で魔女とドラゴンに襲われたところを、とある少年に救われ、一目惚れ。
この少年が、お忍び中のフェルディナンド王子でした。
一般の村娘と、一国の王子。
再び会うのは絶望的な状況ながら、何とか努力してもう一度再会し、悪くない雰囲気になった二人でしたが、その直後、フェルディナンド王子は、悪い魔女に石に変えられ、攫われてしまいます。
コルネットはこれを受けて、自らフェルディナンド王子を助ける決意を固め、旅に出るのです。
フェルディナンド王子のどこがいい?
結論から申し上げると、ラスト付近、コルネットによって石の魔法を解かれたあとのやり取りです。
これがとても胸に来たんですよね。

先述の通り、フェルディナンド王子は作中のほとんどで石化している状態のため、影の薄さを指摘されることも多いキャラクターです。
実際、本当に、序盤と終盤くらいしか出番がないんですよ。

それでもいいと思ったんだ?

いや、その、助けられたあとのコルネットとのやり取りがね。
一国の王子としても、男性としても素晴らしいと思ったのよ。
具体的にはどんなやり取りが?
王子様を無事に助けたコルネットは、実を言うと、彼に背を向けるんです。

え、なんで?

コルネットは、旅を通して、辛い現実にたくさん直面したからね。
責任を感じてしまったのよ。
コルネットは、王子を助けるために、世界中を旅して、あるアイテムを集める必要がありました。
ただ、それを集めるために、各地で辛い決断を強いられ、辛い場面にも何度も立ち会いました。

村の守り神を倒す羽目になったり、旅先で出会った人の恋路を応援しようとしたら、悲惨な結末になってしまったり。
コルネットの旅路は、人助けのためとはいえ、あまりにも多くの犠牲を伴うものでした。

じゃあ、それを乗り越えて、王子の元に行ったコルネットは……

自分の幸せよりも、ここまでの過程で犠牲にしたものの重さで潰されそうになっているんだよね。
無邪気に王子様との結婚を夢見る少女ではなくなっていたんです。
そんなコルネットに、フェルディナンド王子はこんなことを返すんですね。
「それがここまでの過程で起きたことなら、その責任は自分にもある。一緒に背負おう」

彼の場合、本物の王子様です。
つまり、マール王国の王位継承権の持ち主。
「一緒に背負う」ということは、上っ面の言葉ではなく、外交の過程で両国の関係を良くして償うという、極めて現実的で前向きな解決策を提案してくれているわけですね。

めっちゃ仕事できそうじゃん!

多分、この人はいい王様になるし、この人の治世ではマール王国も反映するんだろうなと思った。
コルネットはいい人を選んだなあと。
フェルディナンド王子は、初めて出会ったときもそうだったように、よくお忍びで城下町や、その周辺に遊びに来ていました。
それは、単に息抜きをしたかった、という理由もあるのかもしれませんが、コルネットにこんなことをサラッと言える人間性を考えると、国の現状を見たかった、という理由もありそうに感じます。
「将来、自分がこの国を治めるんだ」という自覚がないと、17歳の少年の口からは、あの台詞はちょっと出てこないと思うので。

コルネットの旅路は、彼女が立派な王妃様になるための準備期間でもあったのかもしれません。
旅の間に、フェルディナンド王子の隣に並べる品性と人格を身につけたんだと思うと、趣がありますよね。

賢さと優しさを兼ね備えたお似合いの二人だから、応援したくなるよね!
マール王国の人形姫、初代はPSですが、現在はSwitchやPS5などでもプレイ可能となっております。
この機会にいかがでしょうか!

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