映画『8番出口』感想。『異変を見つける』ゲームをここまで深い物語にしたのがすごい
先日なんですが、初めて『8番出口』の映画を観ました。

8番出口か。
確か原作はゲームだよね。プレイはしたことある?

あるある!
ゲームとしては、いつ8番出口から抜けられるんだ! みたいな中毒性はめっちゃありましたけど……
正直、これを映画にするって、どうやってやるんだろうなと思いました。
というのも、原作には、いわゆるメインストーリーのようなものがないんですよ。
プレイヤーの一人称視点なんですけど、何の説明もなく駅の中に放り込まれて、無限に続く通路をひたすら歩き続ける……みたいな感じ。
なので、これを映画に落とし込むというのを、どうやってやるのかなあと思っていたんですが……
実際に観てみたら、これが思いの外、深い作品に仕上がっていたんですよね。

というわけで、今回は、『8番出口』という映画の何がどう素晴らしいと思ったのか、ちょっと語ってみたいと思います!
ゲームをやったことのない人にもおすすめの作品ですので、ちょっと読んでいってください!
映画版独自の設定
二宮和也さん演じる主人公は、最近になって、別れた彼女から「妊娠している」と告げられます。
冒頭では、そんな話が出ている最中、満員電車の中で泣き叫ぶ赤子の母を怒鳴り飛ばす男性がいる。
父になる覚悟をなかなか持てず、悩んでいる主人公は……その心境さながらの袋小路、もとい8番出口の舞台に閉じ込められてしまうんですよね。

まず、もう初っ端から、8番出口への入り方がうますぎる。
映画版独自の『異変』
8番出口のルールは至ってシンプル。
異変を見逃さないこと
異変を見つけたら、すぐに引き返すこと
異変が見つからなかったら、引き返さないこと
8番出口から外に出ること
原作ゲームも、映画も、たったこれだけです。

異変の内容は、基本的にゲームと同じ内容のものを踏襲しているよ。
ゲームを知っている場合は、今起きているのが何の異変なのかを確認するのも楽しみのひとつだ。
ただ、映画には映画だけの独自設定があるから……
それに伴って、映画版のみで追加された異変もあるんだ。
映画版のみで追加された異変は、平たく言うと、主人公の迷いを暗に表したような内容ですね。
具体的に言うと、赤子にまつわるものです。
映画版独自の展開
映画版では、無限の迷路を通じて、主人公の心境に変化が訪れます。
ネタバレになりすぎない程度に説明すると……そうですね、主人公が、自分の置かれた状況とどう向き合うのかが、だんだん見えてくるんですよ。

この幕間の描き方が、何だか妙に文学的なんですよ。
一から十まで説明するわけではないけど、何が起きたかを匂わせるような感じで。

迷っている間、彼女から電話がかかってくる。
今どこにいるのか、自分は病院にいるけど、来られるのかと聞いてくる。
それに対しての、主人公の返しも痺れたね。
「異変見つけて、すぐ行くから」

台詞回しも、センスありますよね……!
最終的に、主人公は、どうにかこうにか8番出口を脱出。
脱出直後の満員電車では、冒頭で見たような光景が再び広がっているのですが……
冒頭ではただ見ていただけだった主人公が、今度はどんな決断を下すのかは、是非ご自身の目で確かめてみてください……!

大変失礼ながら、ここまできちんと作り込まれている作品だとは、夢にも思いませんでした。
未視聴の方は、是非観てみてください!