フルバのリンが“人前で食事しない理由”を語ったシーンが印象に残った話

フルーツバスケット、名作ですよね。
平成少女漫画の金字塔のひとつというか。


そうそう、すずかは確か、フルーツバスケットで一番好きなのが草摩由希って言ってたね。
でも、今回は由希の話ではないの?

うん、今回は違う話。
今回は、本作で特に好きなシーンのひとつである、草摩依鈴(リン)の話をしたいと思います。

シーン自体はとても短く、ささやかなものですが、個人的にはとても印象に残ったシーンなんですよね。
ことの始まり
諸事情で入院していたリンを、透くんがお見舞いに来ます。
その際、リンが食事に手をつけていないことに気づいた透くんが、「お食事されないんですか?」とリンに尋ねました。
それに対して
「キライな食べ物ばかりだから」
と答えるリン。
透くんは続けて「キライじゃない食べ物ってなんですか?」
と尋ねました。
そこで、リンは顔を伏せたまま「ゼリー」と返します。
後日、再びお見舞いに来た透くん
リンの発言を受けて、後日、ゼリーを持って再びお見舞いに来る透くん。
それを見たリンは、ゼリーを受け取ったときにこう返します。
「(ゼリーを)食べる。アタシ、人前で食事するの……キライだから(後で食べる)」
これに対して、笑顔で「はい」と頷く透くん。

……それだけ?

そう。
ただ、それだけのシーンだけど、好きなんです。
何故このシーンが好きなのか
今挙げたシーンは、特別なやり取りでもなければ、派手な見せ場があるわけでもありません。
本当に、ただこれだけなんです。
でもね、わたし、思うんですよ。
特にリンのような繊細な性格の人は、
- 食事しない理由
- キライじゃない食べ物は何か
- すぐに食事しない理由は何故か
こういったことを言葉で説明するのに、ものすごく労力を使うと思うんです。

え、そんなもの?

そんなもの。
日頃社交的な性格の人はあまりピンと来ないかもしれないけど、そういうことを敢えて言葉で説明するって、ものすごく大変なことなんですよ。
だって、話したところで、相手に必ず伝わるか分からないじゃないですか。
伝わらなかったら、自分の感覚だけが空回りしてるみたいで、なんか傷つくじゃないですか。
自分の感覚を人に説明するのって、結構リスクが伴うから、よほど「この相手なら大丈夫」と思えないと、そんな説明はできないはずなんですよ。

少なくとも、わたしはそうです。
だからこそ、そんな説明を怒らずしてくれたこの場面のリンがとても愛しかった。
多分、透くんも同じ気持ちだったんじゃないかと思うんですよね。

なるほど……
実際に、リンが差し入れのゼリーをひとりで食べる姿もちゃんと描かれます。
嘘じゃないんです。
「……おいしいよ」って、言うんです。
ほのかな信頼の形
決して大袈裟な表現ではないけれど、確かに心が動いた瞬間がある。
それを静かに描いたこのシーンは、わたしの中では隠れた名シーンです。

あんまり派手に描かれないのもリンらしいかもね。

皆さんは、本作で特に好きなシーンはありますか?
